概要
一般電気機器のさまざまな安全規格に準拠。
接触電流(タッチカレント)および保護導体電流(接地漏れ電流)の各試験に対応。
リーケージカレントテスタTOS3200は医用電気機器を除く一般電気機器向けの漏洩電流(接触電流、保護導体電流)試験を行うための試験器です。IEC、UL、JIS、電気用品安全法などの規格要求に対応した試験を行うことができます。本体内のメモリに情報技術、家電、AV、照明、電動工具、計測・制御機器のIEC/JIS規格と電気用品安全法の試験条件を51種類格納してありますので、簡単なパネル操作で規格試験を行うことができます。
主な特長
●3種類の動作モードで漏洩電流を測定
・TC(接触電流)動作モード※
被測定電気機器(EUT)のエンクロージャ(可触部)とアース線を含む電源ライン間に流れる接触電流を人体模擬回路を通して測定します。人体模擬回路は規格に対応した8種類の測定回路網(NTWK)を標準装備しています。また、EUTへの電源ラインの極性切替えと単一故障条件を試験器内部のリレーによって自動的に設定します。
TC(接触電流)の測定ブロック図
・PCC(保護導体電流)動作モード※
100V系電気機器の電源プラグ(NEMA5-15相当)を前面パネルのコンセントに接続することで、保護導体(アース線)に流れる電流を測定します。世界各国のプラグにはマルチアウトレットをオプション(別売)を用意しています。
・METER(メータ)動作モード
一般的なマルチメータのように、前面パネルにある測定端子AとBを使用して電圧や電流を測定します。電圧測定ではSELV(安全超低電圧)検出機能、電流測定では測定回路網(NTWK)を使用した測定機能を持っています。
※TC=Touch Current、PCC=Protective Conductor Current
●8種類の測定回路網を内蔵
一般電気機器の接触電流測定用として8種類の測定回路網を内蔵しています。
※U、U1:測定回路網の基準点間の測定電圧
●RMS測定は最大30mA
DC/RMS測定では30μA〜30mA、PEAK測定では50μA〜90mAを3レンジで測定が可能です。レンジ切替えは固定レンジ(FIX)と判定電流に対応させたオートレンジ機能(AUTO)の2種類があります。RMS測定では“真の実効値”を実現しています。
●分かりやすい操作性
直感的に分かる試験条件メニュー画面とファンクション・キー/ロータリーノブによる簡単な操作を可能にしました。
【TC(接触電流)測定の設定画面】
●試験の連続実行ができる
TC試験とPCC試験の試験条件を100種類の単独試験(ステップ)として、それらを1つのシーケンスプログラムとして自動試験することができます。シーケンスプログラムは500ステップ数を限度として最大100種類まで設定することができます。
自動試験では、EUT電源ラインを切らずに測定ポイント(プローブ設定)を切り換えることができ、試験の自動化に対応できます。
【自動試験の設定画面】
●試験結果が保存可能
試験結果はもちろん、試験日時、試験条件を単独試験で50個、自動試験で50個までを記憶保存できます。試験結果をUSB等のインターフェースを使用して外部に記録として残すこともできます。
●51種類の規格試験条件を設定済み
IEC60990をはじめ以下の一般電気機器の51種類の試験条件が本体内のメモリにあらかじめ格納されています。これらを呼出すだけで規格試験条件が設定できます。
【メモリに格納されている規格】
●校正期限を管理できます
本器内に校正期限日時を設定し、その期限を過ぎると警告メッセージや使用を制限することができます。試験器自体が校正管理を行なう新しい機能です。
●USBも標準装備
インターフェースは、SIGNAL I/O、GPIB、RS-232Cの他にUSBも標準装備しています。
●その他の多彩な機能
・測定電流の最大値を保持する「MAX機能」
・設定した電源電圧における測定電流値を換算する「CONV機能」
・メータ測定モードで設定したSELV(安全超低電圧)を超えるとDANGERランプを点灯させる「SELV機能」
・測定回路網を自己診断する「CHECK機能」